緊張型頭痛について

緊張型頭痛について

「緊張型頭痛」とは

緊張型頭痛は肉体的、精神的なストレスを原因としておこるもので、頭痛の種類として最も多いタイプです。くびから後頭部にかけての筋肉の血流が悪くなると、筋肉が収縮して「こり」を生じ、後頭部に頭痛が起こります。

その筋肉や神経は、頭頂部、側頭部、こめかみ、目の奥や目の周囲、前頭部へ連続していますので、頭全体の鈍い痛みや頭重感が出現してきます。それがひどくなりますと、頭痛だけでなくめまいやふらつき、吐気といった自律神経症状が出現してくることもあります。頸部の筋肉内には多くの自律神経が存在しているからです。

また後頭部の神経の過敏性が生じ、「後頭神経痛」という電気が走るような鋭い痛みに悩まされることもあります(これには神経ブロックが有効です)。これらの頭痛は悪い病気の前触れではありませんし、命に関わることもありませんが、日常生活に支障が出てくることもありますので、たかが頭痛と思わず、きちんと治療し、予防していくことが大切です。

「緊張型頭痛」の5大原因

  1. 肩こり、くびのこり(体型、うつむき姿勢、クーラーの冷気が直接あたる、など)
  2. 精神的ストレス(悩み事、心配事、環境の変化など)
  3. 睡眠不足(寝つきが悪い、夜中に目がさめる、早朝に目がさめる)
  4. 眼精疲労(パソコン、読書、メガネが合わない、編物、事務などの細かい仕事)
  5. 運動不足(または、慣れない運動をしすぎた場合)

「緊張型頭痛」の治療、予防

  • 5大原因をなくす工夫
  • 肩、くび、腕のストレッチ体操
  • 電気治療(温熱療法、筋肉刺激療法)
  • お薬(筋肉の緊張をほぐす薬、痛み止め、精神安定剤など)

関連記事

関連記事

  1. 新しい機序の片頭痛予防薬「エムガルティ」

  2. 片頭痛の自己診断法(正しく診断して適切な治療を)

    片頭痛の自己診断法(正しく診断して適切な治療を)

  3. 女性と片頭痛

    女性と片頭痛

  4. 頭痛外来で見逃せない「雷鳴頭痛」

    頭痛外来で見逃せない「雷鳴頭痛」

  5. 片頭痛にめまいが合併する「前庭性片頭痛」

    片頭痛にめまいが合併する「前庭性片頭痛」の診断基準とは

  6. 子供が頭痛を訴えるとき

    子供が頭痛を訴えるとき

ピックアップ記事

  1. 帯状疱疹と顔面神経麻痺:(ラムゼイハント症候群)
  2. 子供が頭を打った(頭部打撲)時の確認手順
頭痛関連記事
最近の記事 よく読まれている記事
  1. 新しい認知症治療薬「レケンビ(レカネマブ)」Q&A
  2. さまざまな失神
  3. 中高年の理想的なダイエット
  4. 持続性知覚性姿勢誘発性めまい
  5. 鎮痛剤の使い過ぎによる頭痛(頭痛外来でまずは正しい診断を)
  1. 子供のスポーツと脳震盪(のうしんとう)
  2. 高齢者の頭部打撲でおこる「慢性硬膜下血腫」について
  3. 「子供への虐待による外傷」の特徴を探る
  4. 頭部打撲による「外傷性髄液漏」とは
  5. 子供(乳幼児)の頭部打撲:ぶよぶよたんこぶの対処法
PAGE TOP