アタマとアシと健康寿命

アタマとアシと健康寿命

日常の外来では「たとえ100歳まで生きても、健康じゃないと意味ないですから」という声を良く聞きます。健康で100歳まで生きた人たちは、それまでに末期がんやくも膜下出血、心筋梗塞や大動脈破裂など重篤な病気にかからずに済んだか、またはそれを乗り越えたという事ですから「人類の超エリート集団」と呼んでもいいでしょう。

いくらそのような病気を乗り越えたとしても、老化による色々な症状に悩まされることは避けられません。それすらないスーパーマン、スーパーウーマンはたぶんいないでしょう。腰痛や膝痛、疲れやすさや不眠、動悸や不整脈、視力や聴力の低下、手の震えや足のしびれ・・・、数えだすと両手では足りないかもしれません。それでもこれは他人の世話にならずに自力で生活できている限り「健康寿命」のうちということになります。

下の二つの表を見て改めて感じるのは長寿ニッポンとは言っても健康寿命は意外と短いということです。そして、自立できなくなる要因は認知症、脳卒中などの「脳の病気」か、加齢による足腰の弱り、骨折転倒、関節疾患など「歩けなくなる病気」のどちらかだという事です。

「シャキッとしたアタマでシャキッと歩く。」これがいつまでできるのか。若い時は息をするくらい当たり前のことですが、高齢になる前からそれを意識した生活習慣を確立させておき、続ける事が大切なのだと思います。

アタマとアシと健康寿命

アタマとアシと健康寿命

関連記事

  1. アメリカの肥満治療事情

    アメリカの肥満治療事情

  2. 現代のプラセボ?「あくまで個人の感想です」

    現代のプラセボ?「あくまで個人の感想です」

  3. 早期パーキンソン病の治療

    早期パーキンソン病の治療

  4. 感染性胃腸炎:ノロウイルス感染症

    感染性胃腸炎:ノロウイルス感染症

  5. 頭痛と生活習慣:スマホを使ったビッグデータ解析

    頭痛と生活習慣:スマホを使ったビッグデータ解析

  6. いやな夢、ひどい寝言:レム睡眠行動障害

    いやな夢、ひどい寝言:レム睡眠行動障害

ピックアップ記事

  1. 子供(乳幼児)の頭部打撲:ぶよぶよたんこぶの対処法
  2. 子供が頭を打った(頭部打撲)時に気をつけること
頭痛関連記事
最近の記事 よく読まれている記事
  1. 新しい認知症治療薬「レケンビ(レカネマブ)」Q&A
  2. さまざまな失神
  3. 中高年の理想的なダイエット
  4. 持続性知覚性姿勢誘発性めまい
  5. 鎮痛剤の使い過ぎによる頭痛(頭痛外来でまずは正しい診断を)
  1. スポーツ顔面外傷の注意点
  2. 子供が頭を打った(頭部打撲)時の確認手順
  3. 子供が頭を打った(頭部打撲)時に気をつけること
  4. 「子供への虐待による外傷」の特徴を探る
  5. 子供(乳幼児)の頭部打撲:ぶよぶよたんこぶの対処法
PAGE TOP