脳のエネルギーは全てブドウ糖でまかなわれています。脳はエネルギーを一番多く必要とする臓器ですが、蛋白質や脂肪ではエネルギーを補えない仕組みになっています。脳は安静にしていても1日250g、1時間に5gのブドウ糖を消費していますが、ブドウ糖をほとんど蓄積できないので常時供給してやる必要があります。頭が疲れた時や長時間の勉強、会議の時などに少量の糖分を取ると頭がすっきりしたり、集中力が増す体験をした事がある方も多いと思います。ブドウ糖は脳の活動を維持して効率よく働かせるために大切な栄養素なのです。
けれども糖分は良い事ばかりではありません。確かに糖は脳のエネルギー源ですが、摂り過ぎると脳がダメージを受けることになります。糖質を過剰に摂ると膵臓から大量のインシュリンが分泌されてブドウ糖を除去しようとし、急激な低血糖状態になり、脳は糖のガス欠状態に陥ります。糖質は記憶や意欲など脳内の働きをつかさどっている「神経伝達物質」を作るために必要ですので、その状態が繰り返されると脳の機能は徐々に低下してゆきます。「アルツハイマー型認知症は脳の糖尿病」と言われているのにはそんな理由があるのです。
また糖質には中毒性があります。糖分や炭水化物を摂ると脳のA10神経が刺激されドーパミンという物質が分泌されて強い快感をもたらします。このメカニズムはドラッグの依存性と似ています。そのため日常的に糖分や炭水化物を摂り過ぎているとより多くの物を欲しくなり、それが満たされないと落ち着きがなくなりイライラしたりや怒りっぽくなったりします。炭酸飲料やスポーツドリンク、甘い缶コーヒー等を日常的に飲んでいる人にもこのような傾向が見られます。脳に対して良い習慣とは言えません。
この様に糖質は人体にとって必要なものですが、脳の毒にもなる恐いものでもあるのです。最近流行りの極端な糖質制限ダイエットは健康上に問題があると言われていますが、日常の食生活の中でマイルドに糖質を制限しておくことは糖尿病の予防やアルツハイマー型認知症の予防のためにも大切なことです。
100グラム中に含まれる糖質量の多い食品と少ない食品を紹介しておきます。
基本は炭水化物や甘い物を避けることですので難しいと感じられると思いますが、まずは三食とも抜くのではなく夕食だけ抜くことでも十分有意義なチャレンジだと思います。
積極的に摂ってもいい主な食品
豆類 | 木綿豆腐 | 1.2g |
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がんもどき | 0.2g | |
納豆 | 4.6g | |
無調整豆乳 | 2.9g | |
果実 | アボカド | 0.9g |
藻類 | もずく | 0.0g |
生わかめ | 2.0g | |
肉類 | 生ハム(長期熟成) | 0.0g |
ベーコン | 0.3g | |
卵類 | 卵 | 0.3g |
乳類 | 牛乳 | 4.8g |
プレーンヨーグルト | 4.9g | |
プロセスチーズ | 1.3g | |
アルコール | 赤ワイン | 1.5g |
ウイスキー | 0.0g | |
焼酎 | 0.0g |
量に気をつけるべき主な食品
穀類 | 白米 | 36.8g |
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玄米 | 34.2g | |
食パン | 44.4g | |
ロールパン | 46.6g | |
うどん | 20.8g | |
そうめん | 24.9g | |
ラーメン | 27.9g | |
そば | 24.0g | |
パスタ(乾麺) | 69.5g | |
いも類 | じゃがいも | 16.3g |
さつまいも | 29.2g | |
豆類 | 小豆 | 40.9g |
インゲン豆 | 38.5g | |
調味料 | グラニュー糖 | 100.0g |
はちみつ | 79.7g | |
ケチャップ | 25.6g | |
中濃ソース | 29.8g | |
カレールー | 41.0g | |
アルコール | 日本酒 | 4.5g |
ビール | 3.1g | |
梅酒 | 20.7g | |
果実 | 干しブドウ | 76.7g |
バナナ | 21.4g |