まず、意識がはっきりしているかどうかを確認します。
頭部打撲の直後、大泣きしている時は状況をつかみにくいと思いますが、落ち着いてきたら呼びかけに対して眼を開けて受け答えができるかどうかを確認しましょう。乳児や幼児の場合もいつも通りの反応があればまず心配はいりません。こどもは泣き疲れて眠ってしまう事が多いのですが、呼吸が荒く苦しそうだったり顔色が真っ青でなくいつも通りの睡眠状態であれば問題ないと考えていいでしょう。
ぐったりして呼びかけや刺激に反応がない場合、ひきつけを起こした場合はすぐに救急車を呼ぶ必要があります。
次に、たんこぶの有無や出血しているところがないか確認します。
たんこぶ(皮下血腫)が大きい場合は強い打撲だったと考えられますので、頭蓋骨の骨折や脳内出血などの可能性を考えてすぐに検査を受ける方がいいでしょう。たんこぶもない程度の打撲ならばさほど心配ないと考えていいでしょう。病院を受診するまでの間、たんこぶは軽く冷やしておいてください。皮膚からの出血が多い場合も縫合処置や傷の消毒が必要ですので受診してください。
そして、一晩は近くで様子をみてあげましょう。
子どものけがは夕方に起こることが多いのでその日の夜は近くで様子を見てあげましょう。こどもは嘔吐中枢が敏感なので嘔吐することもありますが、全身状態が良好なら一度くらい吐いても心配はいりません。翌日、特に変わりがなく元気ならばもう大丈夫。普通の生活をさせてあげてください。打った部位やその周囲の痛みは数日間続くこともありますが次第に軽くなっていきます。
さらに、高学年や中高生では記憶の有無も確認しましょう。
中高生になるとスポーツなどで強い衝撃を受ける機会が増えますので脳震盪がおこりやすくなります。打撲前後の練習内容、試合経過、その日の出来事について正確に記憶しているかどうかを確認します。記憶があいまいだったり同じことを何度も繰り返し尋ねる時は脳震盪の可能性があります。脳震盪は強い打撲であった事を意味していますのですぐに検査を受けさせてください。
最後に、判断に迷った時や不安な時はすぐに受診してください。