脳科学から考える「浪費脳」と「貯蓄脳」

脳科学から考える「浪費脳」と「貯蓄脳」

最近、浪費脳貯蓄脳といったキャッチーな言葉が聞かれるようになっています。本当にそのような分類が脳にあるのか知りませんが、下のような項目のどれかに当てはまると「浪費脳」なのだそうです。

  1. はやりものや新製品が欲しくなる
  2. 毎日のようにコンビニで何か購入している
  3. 安いと思うとつい買いすぎる
  4. 高いものは長く使えるから最終的にはお得だと思う
  5. お金に対して「これまで大丈夫だったからこれからも大丈夫」と漠然と思っている

誰でも一つくらい当てはまりそうですね。浪費する快感は現代人にもともと備わっている資質ともいえます。脳は心にとっての中央処理システム(CPU)と考えられます。つまり脳は、感情や思考や想像力といった「心の中身」を表面化させるCPUの役割を果たしているのです。ですから脳を鍛えることで人間に初期設定されている「浪費したい」という感情を抑えることができ、「貯蓄を楽しむ」脳に変換させていくことができるかもしれません。脳の中の扁桃体という場所が浪費の喜びや楽しさを生み出しているのですが、それを貯蓄脳へ変換するヒントはいくつかあるようです。貯蓄という行為を「より大きな満足感」と感じられる様に変える方法です。米国心理学会が提案している方法をご紹介します。

貯蓄脳への切り替え方

1 支出、収入を視覚化する。

現金を扱う危機が減り、お金を使う実感が減るというのは「浪費脳」にとっては危険な事の様に感じます。しかしお金は「数字」ですので、支出をクレジットカードなどに集約すれば視覚化がしやすくなります。数字を視覚化すると無駄な浪費が目につき、節約できるポイントを見つけやすくなり、貯蓄高も常時確認できます。家計簿アプリやレシートをスキャンするだけのアプリもあります。そのようなテクノロジーを使って支出の抑制や貯蓄を楽しいと感じられるようにしていく方法は大変有効だといわれています。

2 毎月○○円ではなく、毎日少額を貯金する

米国心理学会は「ストレスで意思が弱くなっている時、人は浪費に走りやすい」、つまり「浪費癖がある人は意思が弱い傾向がある」ことを明らかにしています。意思の弱い人が長期的貯蓄計画を立てると、遠大すぎて必ず挫折するのです。なので貯蓄を細分化していけば1日500円でも1年で20万弱の貯蓄になり、これは現実味を帯びてきます。そんな宣伝文句の貯金箱もよく見かけますね。その貯金箱を途中で開けない「意思」も必要ですが・・。

3 ウェイティングタイムを持つこと

衝動買いの防止にはウェイティングタイムです。24時間たってもまだどうしても欲しいかどうか、確認してみるのです。24時間の間に「本当に必要なものか」「似たようなものを持っていないか」「その金額に見合うものか」「これを買って本当に満足するのか」、自分に投げかけてみます。これを「メタ認知」と言い、ドローンを飛ばして自分を客観的に見る時間です。衝動買いをさせる脳内ホルモンは「ドーパミン」なのですが、本来ドーパミンの分泌時間はあまり長続きしません。一晩寝て、ドーパミン分泌が収まるのを待ち、誘惑に打ち勝ち、それを貯蓄に回せばまさに一石二鳥です。さあ怖い年末セールです。お試しを。

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