「緊張型頭痛」とは
緊張型頭痛は肉体的、精神的なストレスを原因としておこるもので、頭痛の種類として最も多いタイプです。くびから後頭部にかけての筋肉の血流が悪くなると、筋肉が収縮して「こり」を生じ、後頭部に頭痛が起こります。
その筋肉や神経は、頭頂部、側頭部、こめかみ、目の奥や目の周囲、前頭部へ連続していますので、頭全体の鈍い痛みや頭重感が出現してきます。それがひどくなりますと、頭痛だけでなくめまいやふらつき、吐気といった自律神経症状が出現してくることもあります。頸部の筋肉内には多くの自律神経が存在しているからです。
また後頭部の神経の過敏性が生じ、「後頭神経痛」という電気が走るような鋭い痛みに悩まされることもあります(これには神経ブロックが有効です)。これらの頭痛は悪い病気の前触れではありませんし、命に関わることもありませんが、日常生活に支障が出てくることもありますので、たかが頭痛と思わず、きちんと治療し、予防していくことが大切です。
「緊張型頭痛」の5大原因
- 肩こり、くびのこり(体型、うつむき姿勢、クーラーの冷気が直接あたる、など)
- 精神的ストレス(悩み事、心配事、環境の変化など)
- 睡眠不足(寝つきが悪い、夜中に目がさめる、早朝に目がさめる)
- 眼精疲労(パソコン、読書、メガネが合わない、編物、事務などの細かい仕事)
- 運動不足(または、慣れない運動をしすぎた場合)
「緊張型頭痛」の治療、予防
- 5大原因をなくす工夫
- 肩、くび、腕のストレッチ体操
- 電気治療(温熱療法、筋肉刺激療法)
- お薬(筋肉の緊張をほぐす薬、痛み止め、精神安定剤など)
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