温暖化が進み5月に真夏日を記録するなど、夏がどんどん早まっています。紫外線は日焼けやシミの元凶と考えられていますが、脳疲労の大きな原因でもあります。
紫外線と皮膚ダメージ
下の図は2022年福岡市に降り注いだ紫外線の月別グラフです
もちろん7月と8月がピークになっていますが、4月から9月まではかなり高い数値になっているのがわかります。紫外線(UV)にはA波とB波があり、日焼け、シミ、メラニン色素沈着の原因となるのはエネルギーの強いB波です。皮膚にやけどなどの炎症を引き起こします。SPF(太陽光線防御因子)でカットできるのはこのB波で、最も効果が強いのがSPF50です。
一方、紫外線A波はエネルギーは弱いのですが皮膚の深いところまで届きます。コラーゲンやエラスチン繊維を破壊してシワやたるみの原因になります。このA波をカットするのがPA(A波紫外線防御基準)で、PA 4+と表示された日焼け止めが最大の効果を発揮します。SPFもPAも値が高いほど日焼け止め効果は強いのですが、それに比例して肌への負担が高まりますので、シーンに応じて選ぶことが大切です。
紫外線と脳疲労
ビーチやプールに出かけたとき、泳がなくても私たちはぐったりと疲れを感じることがあります。この脳疲労の原因は紫外線です。紫外線が目に入ると、脳内で疲労物質(活性酸素)が大量に分泌されます。脳の神経細胞が酸化ストレスを受けると自律神経を乱し、全身的な疲労感を引き起こすことになります。また脳は紫外線に対する生体防御反応を発動させ、全身のメラノサイトという色素を活性化させます。マラソン選手がサングラスをかけるのは眩しさを和らげるだけでなく、全身の疲労を抑えるためです。サングラスをかけないと脳疲労の程度が高まるだけでなく、紫外線を浴びていない皮膚まで黒くなる、シミやそばかすが増えることも証明されています。
屋外では「紫外線カット99.9%以上」の「なるべく薄い色」のサングラスを選びます。濃い色のサングラスでは光を取り込もうとして瞳孔が開いてしまうので、紫外線が入りやすくなるからです。肌には日焼け止めクリームを塗り、紫外線カット用のウエア、サングラスで防御しながら夏を乗り切っていきましょう。
それでも日焼けしてしまったら
1冷やす
日焼けは軽いやけどです。すぐに保冷剤をタオルでくるんでほてりを鎮めます。痛みや水ぶくれができている時はすぐに皮膚科へ受診しましょう。
2保湿する
赤みやほてりが落ち着いたら、自宅で化粧水をたっぷり使って保湿します。やさしく手で押さえて肌になじませてください。
3水とビタミンを摂る
体内から水分を補給し、肌に良いビタミンA,C,Eを含んだ新鮮な野菜や果物を摂ります。中でもビタミンCはメラニンの産生を抑え表皮細胞を整えてくれる、皮膚に必須のビタミンなので特に重要です。